有限要素法解析 - ( Finite Element Method : FEM )について

ここでは,有限要素法解析について,私が勉強したメモを書き留めておく. 有限要素法解析の原理と使用されるアルゴリズム,コーディングについて記述するつもりである. しかし,ここで取り扱う知識は,役に立つとは言い難いものだと考えている. 現在では多くの有限要素法の商用ソフトウェア(ANSYS, JMAG, COMSOL etc.)が既に開発され,購入さえすれば,比較的自由に解析を行うことができる. 商用ソフトウェアはわかりやすいGUIが整備されているし,実際,有限要素法の中身がどうなっているのかをほぼ考えずにブラックボックスのままに使用でき,解析精度も企業によって保証されている. 自分で一から学んでコード開発する意味は見当たらなくなってきている.

「有限要素法」に関して勉強する人間は次の2種類に大別されるであろう.

  1. モーターの運動や車体周りの空気抵抗など,有限要素法を用いて解析したい事象がある人.有限要素法がどうやって動くかに興味はない(ぶっちゃけ,知らなくても構わないと心のどこかで思っている).

  2. 有限要素法を用いて解析したい対象があるけれど汎用ソフトでは解析不可能もしくは著しくパフォーマンスを損なう可能性がある.もしくは自分なりの工夫(ルーチンや境界条件等,汎用ソフトでできないこと)を導入して計算したい人.

1の人は,有限要素法がどうやって解を叩き出すかを知る必要はない.ANSYSなりJMAGなり,なんでも好きな商用ソフトウェアを使えばいい.汎用有限要素解析ソフトを買って,マニュアルをめくる.もしくはベンダーが実施している講習会に参加して使い方をマスターする.マニュアルや講習会のやり方に習ってマウスをぽちぽちしていく.やるべきことはまごうことなき課金の嵐である.お金を使いたくなければ,無料のFEMソフトウェアをダウンロードする.

一方,2の人は,有限要素法がどうやって動いているかを理解し,自身でコーディングを行った上で解析する.開発そのもので飯を食べて行く研究者・ベンダ系の人を除けば,余程の暇人か,勇気あるドMか,学術的に高邁な変態達だと思う.チャンスがあるなら,学会や大学の先生の講義に出てみるのが手っ取り早い.もし,N島先生とかY村先生とか,身近に専門家がいる人は,大学シラバスで検索したり,学会での講演を調べたりして,その人達の講義に参加してみよう.アクセスがある人たちは稀かもしれないが,有限要素法の原理を開設した書籍や,pdf資料もネット上でたくさん見つけられる.ネット上や書店で情報を拾ってきて,読んでみれば,簡単に理解を進めていけると私は信じている.

有限要素法の数学的定式化はそんなに簡単ではないと思う. と言っても,数学的知識は,ベクトル解析,変分法,線形代数あたりを使うぐらいで,大学学部生レベルの数学知識があれば大丈夫である. ちなみに,私は大学在学中に授業で有限要素法を2回も習った(1回じゃ理解できなかったから同じ授業を二回履修した,単位はとっていたにも関わらず)が,未だに正確には理解できていないし,周辺知識も全く網羅できていない(私は有限要素法の専門家ではない只の素人である). そこで,私が今までに掴んだイメージをメモ程度に書き記しておく.皆さんの理解に役立つことを祈る.